大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和46(ク)419 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

抗告代理人増原改暦 の抗告理由について。

憲法三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利があることを規定したに

過ぎないものであつて、裁判所の権限や審理の方法等について規定したものでない

ことは、当裁判所の判例の趣旨とするところである(最高裁昭和二三年(れ)第二

八一号同二五年二月一日大法廷判決刑集四巻二号八八頁参照)。もつとも、憲法八

二条は、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」と規定しているが、

この規定にいう裁判とは、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実

を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする純然

たる訴訟事件についての裁判のみを指すものと解すべきことも、当裁判所の判例(

最高裁昭和四一年(ク)第四〇二号同四五年六月二四日大法廷決定民集二四巻六号

六一〇頁)によつて明らかである。ところで、強制競売における競落許可決定およ

びその抗告審の決定は、債務名義に表示された請求権の存否を終局的に確定するも

のではないから、原審が口頭弁論または当事者の審尋を経ないで審理、裁判したこ

とをもつて違憲ということができないことは、前記の当裁判所判例の趣旨に照らし

て明らかである。したがつて、原決定に右違憲のかしはなく、この点に関する論旨

は理由がない。

その余の違憲をいう論旨は、その実質において、原決定に民訴法違反がある旨主

張するにほかならず、特別抗告適法の理由とすることができない。

よつて、本件抗告を棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のと

おり決定する。

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昭和四六年一二月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 関 根 小 郷

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 天 野 武 一

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